本記事では、段ボール製函機とは、どのような機械なのかを解説しております。
製函機と封函機の違いから、製函機の構造、種類などについても併せてご紹介いたします。
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段ボールを自動で組みたてる機械:段ボール製函機とは
段ボール製函機とは、折りたたまれた状態の段ボールケース(A式)を、箱状に成形し段ボール箱を自動で作る機械の事で、ケースフォーマーとも呼ばれます。
※A式段ボールケースとは、ミカン箱のような形状の段ボールのことです。
↓↓段ボール製函機に関する動画をご覧ください。
段ボール製函機と封函機の違い
封函機とは、段ボールケースに粘着テープやホットメルトなどで封をする機械で、
段ボールケースに商品を詰め終わった後に使用されます。
一方、段ボール封函機は、段ボールを箱状に成形する機械のことを指し、ケースシーラー、カートンシーラーなどと呼ばれることもあります。
そのため、段ボール製函機と封函機は、梱包ラインの中では、“製函(函(箱)をつくる) → 商品を箱に詰める → 封函(函(箱)を閉じる)”という流れの中でそれぞれ活用されます。
段ボール製函機の構造
段ボール製函機には、一般的に、機械本体にマガジンと呼ばれる、段ボールケースをストック・供給する架台が付いています。
段ボール製函機を利用する際はまず、マガジンに折りたたまれたままの段ボールケースをセットし、ケースサイズをハンドルなどで調整します。サイズを事前に登録できるプリセット型などもありますが、近年はIoTでハンドルを自動化する事も可能です。
次に、マガジンにセットされた段ボールケースを、エアーで1枚づつ本体に取り込み、箱の形に開きます。
最後に、箱の底面のフラップを折り込み、粘着テープやホットメルトなどで底面の封をし、段ボールが成形されます。
段ボール製函機の種類:全自動製函機と半自動製函機
段ボール製函機には、大きく分けて、全自動製函機と半自動製函機があります。
全自動製函機
全自動製函機とは、上記の「段ボール製函機の構造」で書いてあるように、折りたたまれた段ボールを全自動でで箱状にする機械です。人手が介在する工程はマガジンへの段ボールセットとなり、段ボールの取り出し、段ボール組立、テープ貼り、後工程へのコンベア搬送が自動化されます。
全自動製函機は、インラインで組み込まれて使用される場合が多いですが、段ボールの組立を自動で行い箱をストックしておくなど、アウトラインで使用しながら、段ボール組立・テープ貼り工程の効率化を実現する場合もあります。
全自動製函機の特長
・生産性が高い
→人手が必要ないため、無人化が可能となります。
・省スペース
→人で段ボールを製函する場合は、作り置きするため、そのためのスペースが広く撮られてしまいますが、全自動製函機は自動で製函し、作りおく必要がないため、省スペースです。
半自動製函機
半自動製函機は、処理能力をあまり必要としない場合に有効で、低コストで導入できる機械です。
半自動製函機では、段ボールケースの機械への供給は人の手で行い、機械が底フラップを折り込みます。
その後に商品を箱詰めし次工程(封函機)に送り出すタイプや、箱詰めした後に封函まで行う製封函機もあります。
半自動製函機の特長
・省力化できる
→人が製函するのを助け、製函するための労力を削減することで、省力化に繋がります。
・コンパクト
→機械が小型でコンパクトなため、スペースを取りません。
段ボール製函機の価格相場
半自動製函機は、全自動製函機と比べ低コストで導入できる機会です。このタイプの機械は、300万円から1000万円程度の価格帯です。小規模な生産ラインやコストを抑えたい企業にとって、費用対効果が高い選択肢となります
全自動製函機は、高度な自動化が施されており、大量生産に対応可能です。これらの機械は、1000万円以上から数千万円に達することが多く、その価格は機能や処理能力に応じてさらに高くなります。
価格に影響する要因
- 自動化のレベル: 機械が完全自動か半自動か、手動かによって価格は大きく変動します。完全自動化された機械は、労働コストを削減し、効率を最大化するために高額になります。
- 処理能力: 機械の処理能力、すなわち1分間に処理できる段ボール箱の数が増えるほど、価格も上昇します。一般的には10ケース/分が標準ですが、高速機種ではそれ以上の処理能力を持ちます
- カスタマイズ機能: 特定のサイズや形状の段ボールに対応できる機能の追加や、特殊な材料や接着方法への対応も価格に影響します。例えば、ホットメルト接着やテープ貼りのオプションが追加されると、コストが増加します
企業は、これらの要因を考慮し、自社のニーズと予算に最適な製函機を選定することが重要です。また、製函機の導入後のメンテナンスや運用コストも考慮に入れる必要があります。
段ボール製函機で使用するテープ
段ボール製函機では通常、OPPテープかクラフトテープが使用されます。
どちらとも500Mから1500M巻いてある機械用の長尺タイプが用意されています。
OPPテープはランニングコストに優れますが、開梱しづらい(テープをはがしづらい)という側面もあります。
最近では、手で開けやすいというだけでなく、カッターを使用して箱を開ける際に中身を傷つけてしまう危険性を考慮して、クラフトテープが重用されています。
※クラフトテープは日本独自のもので、海外ではほとんど使われていません。
また、昔からある紙製の粘着テープとして、ガムテープ(水貼りテープ、接着面に水を付けて使用するテープ)があります。
クラフトテープより低コストで、クラフトテープのように表面のコーティングがされていない環境にも優しいテープですが、製函機や封函機で使用する場合、機械が特注対応になるためイニシャルコストがアップしてしまいます。
段ボール製函機と関連する装置
段ボール製函機と関連する装置としては、前述した封函機以外に以下のようなものがあります。
段ボール製函機と搬送コンベア
段ボールを製函した後に後工程に搬送するコンベアです。ベルトコンベアやローラコンベアが用いられます。
段ボール製函機とピロー包装機
製函機と同一のラインには、包装機が設置されることが多いです。包装機については、縦ピロー包装機や横ピロー包装機などの種類があります。
>>当社が扱う横ピロー包装機のラインナップ!
>>関連コラム:ピロー包装に使用される包装フィルムの種類とトレンド
段ボール製函機とトレーシーラー
ワークがトレーの場合は、トレーシーラーにてパッキングすることもあります。ピロー包装品、トレー品は、後述しますケースパッカーを用いて、製函した段ボールに箱詰めしていきます。
段ボール製函機とケースパッカー
ケースパッカーとは、商品を自動で箱詰めする機械で、インケーサーとも呼びます。
全自動製函機で段ボールケースを組み立てるだけでなく、ケースパッカーで商品を箱詰めする事で、製造ラインの省人化に繋がり、さらなる人手不足に対応が可能になります。
また、組み立てた段ボールケースにポリ袋(内袋)を自動で装着する機械もあります。
段ボール製函機と自動梱包機
段ボールを製函して箱詰め、そして封緘した後、自動梱包機を用いてバンド掛け等を行います。
>>関連コラム:PPバンド結束機とは?選定のポイントについても解説!
段ボール製函機のメーカー
・積水化学工業株式会社
→封函機や粘着テープも取り扱っている
→半自動製函機の種類が豊富
・ストラパック株式会社
→様々な種類の機械を取り扱っており、ライン化も得意
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今回は段ボールを組み立てる機械として、梱包ラインの自動化に使用される段ボール製函機についてご説明させて頂きました。
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