様々な包装機械の中で、梱包用バンドでダンボールケースなどの対象ワークを結束する機械の事を一般的に“梱包機”と呼称しています。
梱包用バンドとは主にプラスチック製の平状のテープの事で、ポリプロピレンでできたPPバンドが最も一般的です。重量梱包物用にはより強度のあるポリエステルバンド(PETバンド)が使用され、近年では脱プラスチック素材としてパルプが主な成分の紙バンドもあります。
“梱包機”は対象物に回し掛けた梱包バンドの、バンドとバンドの接点を熱で溶着(溶かしてくっつける)する機械です。
梱包機には大きく分けて次のような種別があります。
梱包機の種類
自動梱包機
ボタンを押すだけで対象ワークに梱包バンドを回し掛け、溶着まで行う”梱包機”が自動梱包機で、梱包(結束)作業は自動で行いますがワークの投入・搬出は人の手で行います。
自動梱包機にはアーチと呼ばれる門のような形状の、ワークの周りに梱包バンドを通す部分があります。このアーチの中にワークをセットしスタートボタンを押すと、アーチを通っている梱包バンドがワークを結束し熱で溶着します。ボタンを手で押す代わりにフットスイッチ(オプション)を使って足踏みで起動させることも可能です。
なお自動梱包機には、重量物を高いところまで上げる必要のない低床タイプや、水産などの水気の多い環境下で使えるステンレス製タイプなどワークに合わせて様々な機種が用意されています。
全自動梱包機
無人化(省人化)された包装・梱包ラインに組み込むタイプの自動梱包機です。
コンベア上を流れるワークを梱包用バンドで自動で梱包します。PLCなどの制御装置と連携して、梱包機へと自動で投入されたワークをセンサーで検知し、無人でバンド掛けを行います。全自動タイプの梱包機の天面にはベルトコンベアなどの搬送装置がついていて、バンド掛けされたワークを自動で次工程へと搬出します。
全自動梱包機でも、バンドの交換は通常人の手で行う必要があります。使用しているバンド(2000M~5000M)が使い終わる毎に、ラインを止めて新しいバンドをセットしなければなりません。この停止時間を少なくする対策として、バンドの残量を一定レベルで検知して信号を外部へ出力する装置や、バンドをセットするリールをダブルにして自動切り替えを行うようなオプションのご用意も可能です。
また、ワークを2段や3段に積み重ねてバンド掛けをする場合などには段積み(スタッキング)装置付きの全自動梱包機があります。ワークを自動で数段に積み重ねて、そのあとに自動でバンド掛けを行います。複数の荷物を積み重ねてバンド掛けすることにより、荷物を一つのまとめることが出来て、出荷コストの削減につながります。出荷個数を減らす事によって2024年問題への対策としても有効な手段です。(2023年1月現在)
半自動梱包機
自動梱包機のようなアーチを持たず、対象ワークに梱包バンドを回し掛ける作業を人の手で行う梱包機が半自動梱包機です。
半自動梱包機は、回し掛けられた梱包バンドを引き締めて熱溶着し、梱包された部分のバンドを切り離すとういう工程のみを自動で行います。半自動梱包機は構造が簡単な分、安価で省スペースな梱包機です。
半自動梱包機にも、自動梱包機と同じように低床タイプや水産用などのバリエーションがあります。またパレットに積まれたワークを、パレットの爪を通す部分に梱包バンドを通してパレットとワークをまるごと結束するパレット梱包用も標準で用意されています。
ハンディ梱包機
ハンディ梱包機は手で持って使用するもので、通常の梱包機では対応できない大きなワークなどに適した梱包機です。充電式のバッテリーを使用しコードレスのため、屋外や電源のない作業現場でも使用することができます。ハンディ梱包機は、半自動梱包機と同じくバンドの引き締め、溶着、切断を自動で行います。ハンディ梱包機におけるバンドの溶着は、直接熱をかけて溶かすのではなく、バイブレーションによる摩擦で行います。
梱包機の選定のポイント
梱包機を選定するには主に次のようなポイントが上げられます。
- 処理能力(1分間にどのくらい梱包したいか)
- ワーク形状、サイズ、質量等
- バンドのかけ方(一本掛け、二本掛け、十字掛け、キの字掛け、等)
- 電源(三相200V、単層200V・100V、等)
- ご予算(費用対効果)
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