ランダム型と調整型
段ボール封函機(カートンシーラー、ケースシーラー)を大別すると、
おおまかに『ランダム型』と『調整型』の２種類に分けられます。(メーカーにより様々な呼び方があります。)
『調整型』とは、手動型、半自動型などとも呼ばれ、
”手動”のハンドル調整などで段ボールケースの幅や高さをあらかじめセッティングしておき、
同じサイズのケースのみを封緘するという機械です。
段ボールケースのサイズを変更する場合は、再度手動で設定をし直す必要があります。
ランダム型と比べて低コストで導入が可能な機械です。
同じライン上で様々なサイズの段ボールケースを”自動”で封緘することができる機械が、
『ランダム型』段ボール封函機です。
ランダム型封函機では、流れてくる段ボールケースのサイズに合わせて、機械が幅と高さを自動的に調整します。
ランダム(random)とは、規則性がない、手あたり次第、といった意味です。
その意味のとおり、ある一定の範囲内であれば、どのようなサイズにも対応できるのがランダム型段ボール封函機の特徴です。
ランダム型封函機の仕組み
段ボール封函機は、搬送用のローラーコンベヤが付いた架台と、
上下の粘着テープを段ボールケースに貼り付ける部分(テーピングヘッド)、
テープを貼り付ける際に送り出す搬送ベルト(進行方向に対して左右、もしくは上下)、等から構成されています。
ランダム型封函機では、段ボールの侵入を検知し、左右の搬送ベルトと上部のテーピングヘッドが自動で動き出します。
搬送ベルトは両側から段ボールケースを挟み込み、上部のテーピングヘッドは段ボールケースの高さまで下ります。
ここで搬送ベルトが段ボールケースを流しながら、上下のテーピングヘッドがテープ貼りをします。
封緘が終わり段ボールケースが排出されると、上部のテーピングヘッドと左右の搬送ベルトは元の位置に戻ります。
サイズがランダムな段ボールケースに対応するために、
上部のテーピングヘッドと左右の搬送ベルトは反復で動作することになります。
この為に、ランダム型封函機は、一定のサイズを流す場合よりも動作が多い分だけ処理能力が約1/2程度になってしまいます。
(一般的な処理能力ランダム型；5～10ケース/min、調整型；10～20ケース/min)
ロットランダム(固定ランダム)とは、
最初に検知した段ボールケースの幅と高さでテーピングヘッドと搬送ベルトの位置が固定し初期位置に戻らず、
同じサイズの段ボールケースを流し続けることが出来る機能です。
サイズの切り替えが頻繁でない場合や、一定時間はサイズが変わらない場合などに有効で、
ランダム型のまま動かすよりも処理能力が上がります。
ただしロットランダムから通常のランダム型に戻すには、スイッチの操作が必要となります。
ランダム型封函機の動力
ランダム型封函機の動力は、通常の電力(3相200Vまたは単相100V)のほかに、エアー源が必要となります。
エアーは主に上部テーピングヘッドの下がる・戻るの動作と、搬送ベルトの閉じる・戻るの動作に使われます。
ランダム型封函機の種類
ランダム型封函機にも半自動タイプや無人ラインに組み込み可能な全自動タイプなど、様々な機種があります。
半自動タイプは、段ボールケースのフラップ折り込みや封函機への送り込みは人の手が必要となります。
全自動ランダム封函機では、封函の前に上部の4面フラップを自動で折り込む機能があり、
段ボールケースのセンタリングや搬送も自動で行われます。
無人化に対応した機種では安全カバーや警報用のシグナルタワーも備えており、シーケンサーで上流・下流との連動も可能です。
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